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BECC JAPAN 2018 開催

業界団体 特集・連載 2018/09/21 15:00

 省エネ行動を如何に起こせるか。そっと後押しするには? 脱炭素社会構築に向けハード面からのアプローチではなくヒトの思考や心理といった行動科学に基づいた研究が加速する。気候変動・省エネルギー行動会議(中上英俊代表)は8月23日、一橋大学講堂にて第5回目となる『BECC JAPAN(ベックジャパン)』を開催。最新動向を聴講しようと関係者200名余りが会場へ駆けつけた。

 省エネ行動促進を議論 14 年から日本版スタート

 同会議は07年から欧米を中心に毎年開催されているBECC(Behavior,EnergyandClimateChange)Conferenceの日本版。心理学などの行動科学をマーケティング分野に留まらず公共政策や省エネ・環境対策にも応用。知見を集約し省エネ行動を促す効果的な働きかけ方を議論する場として展開されている。日本版は14年からスタートし本場同様に国内外における最新調査研究・実証事業等を発表するなどでエネルギー、住宅・建築、行政といった幅広い分野から注目を集める。

 開会冒頭に同会議の趣旨を説明した上で中上代表は「気候変動対策の新しい国際的枠組みであるパリ協定が16年11月に発効し国内でも省エネや脱炭素に対する関心が高まりつつある。消費者に新しい価値を提供しつつ同時に『仕掛け』をもってエネルギー・環境をめぐる課題に対処していかなければならない」との旨を挨拶した。来賓からは経済産業省資源エネ庁の吉田健一郎省エネ課長、環境省地球環境局の奥山祐矢地球温暖化対策課長、国土交通省住宅局住宅生産課の川田昌樹課長補佐がそれぞれ同会議に対する期待感を述べプログラムが始まった。

 仕掛けや情報提供で 環境配慮に影響

 基調講演では大阪大学の松村真宏教授が『人を動かす仕掛けのアイデア』と題し、日常に溢れる様々なモノ・コトには「つい行動したくなる仕掛けがある」との見方を紹介。例えば「駐輪場に白線が引かれていることで一般的には整列して駐車される」「『真実の口』のようなものがあれば、手を入れたくなる」など興味深い視点が会場を賑わせた。「興味を持たない人への行動を変えることは難しいが、仕掛けにより行動の選択肢を増やすことが出来る。この意味で省エネ行動促進のヒントになるのではないか」と話していた。

 続く口頭発表では、日本オラクルのヘイグ・ケン渉外部ディレクター、住環境計画研究所の平山翔主任研究員が『ホームエネルギーレポートによる省エネルギー効果検証』を発表。これは全国計45万世帯の家庭に対しエネルギー使用状況や改善例等の情報を提供することで省エネ行動を起こせるかという検証を行った大規模なもの。レポート送付の有無で比較分析を行った結果「送付世帯は非送付世帯に比べ省エネ意欲・態度など省エネ行動実施率が優位に高くなることが確認された」という。

 『省エネと環境教育』というテーマでは東京家政大学の三神彩子氏、慶應義塾大学の杉浦淳吉教授が学生を対象とした教育現場で省エネに関する授業やゲームを行うことで効果が得られるかを分析。それぞれ「環境配慮行動、省エネ行動の実施に影響を与えることが判った」とする。全体として効果の持続性や長期的な行動変容、更には習慣化に繋がるかといった議論は今後の課題として挙がっていたが、環境省が展開する『COOL CHOICE』を筆頭に、社会全体の関心が脱炭素へ向かうことで人々の省エネ行動は促進されるのか。今後の研究・調査に目が離せない。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.44に掲載したものより抜粋しています。

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