発表日:2022年1月26日
発表者:新日本空調
表 題:AIを活用した空調制御最適化技術を開発
新日本空調株式会社(代表取締役社長:前川 伸二)は、公立諏訪東京理科大学(長野県茅野市)と共同で、省人化と省エネに寄与する、AI(人工知能)を活用した空調制御技術を開発しました。AIを活用することでCO₂の排出量削減と運転コスト削減が実現でき、サステナビリティ向上につながります。新設では、試運転調整を自動化し、人の手を加えることなく運転状況に応じて高精度な空調制御が可能となります。試運転時の省力化に加え、運転パラメータの最適化と自動チューニングによって、省エネ化にも寄与します。導入後は、快適性の向上と操作機器の消耗を抑える省資源化にも貢献します。既存の空調設備にAIを搭載した汎用小型コンピュータをつなぐだけで、手軽かつリーズナブルに導入可能となります。2022年度からの実用展開を予定し、現場労力の低減や省エネ化を推進する社会ニーズに適応する技術として提案してまいります。
1.背景・経緯
セントラル空調システムの試運転では、各所に設置された空調機に供給される冷水/温水の流量・圧力や、空調機が送風する冷風/温風の温度や風量を制御するパラメータを、技術者が経験や勘を交えて調整しています。しかしながら引渡し前の試運転段階では、空調熱負荷(室内の発熱量、屋外からの侵入熱量など)が実運用時に比べて小さいことも多く、運用状態に適したパラメータ調整を行い、消費エネルギーを抑えつつ快適な環境を実現するには、多くの時間と手間を要していました。そこで制御パラメータ調整が必要な様々な設備で、それら調整業務を省力化する汎用性の高いAIを開発しました(図1)。
現在、自社施設の空調設備に導入して動作・性能評価を行っており、導入先設備の特性に合わせてパラメータが自動調整され、制御性や省エネ性が向上する効果を得ております。
2.技術説明・特長
① 既存の空調設備へ簡単に導入
開発したAI は制御盤に収まるサイズの小型コンピュータに実装されており、従来の空調制御コントローラ(PLC: programmable logic controller)とLAN ケーブルで接続するだけで、簡単に設置可能です(図2)。設置後、持参したPC を繋いで設定画面から必要最小限の通信設定を行うだけで動作し、簡単に導入できます。
② AI が導入先に合わせて最適化
一般的にセントラル空調の制御には、センサ計測値をもとに出力(バルブ開度、インバータ周波数など)を調整するPID(比例、積分、微分)制御が用いられます。本システム導入後、AI が現場の運転ログを解析して性能予測モデルを作成し、その現場に最適なパラメータ調整を自動で行います。人の手では適宜対応できなかった、室温の追従性(立上げ運転時の素早い冷却・加熱や、室内人数の急激な増加への応答の速さなど)と快適性(設定室温をキープできる制御性)との両立を、AI が実運用中に生じる様々な運転状態ごとに学習することで、快適な環境を可能にしました。暑い寒いのクレームを抑制するとともに、立上げ運転時間短縮や冷し過ぎ・温めすぎの防止による省エネ効果も期待できます。また、ハンチング現象(制御が安定しないこと)を防止し、故障の要因となる急激なバルブ開閉動作やモータの出力変動を抑え、設備の保全にも貢献し、これらメリットを提供します。
③ 短期間で導入効果を発揮
公立諏訪東京理科大学の山田哲靖教授(通信ソフトウェア工学)が設計し共同で開発したAI は、少ない運転データで効率的に学習でき、比較的短期間で導入効果を得ることができます【特許出願中】。当社施設でこれ まで行った実証実験では、概ね数日で導入効果が得られる結果となりました。
3.効果
図3 は、空調施設の冷房運転に本システムを導入して得られた、改善効果の実験例です。導入後、運転開始からの立上げ時間(設定温度付近で室温が安定するまでの時間)が短縮し、立上げ運転に要する空調エネルギーを約40%削減できる効果が確認されました。また、システム導入前に生じていたハンチング現象がなくなり、制御性が改善する効果も確認されました。
4.今後の展開
現在自社設備にて動作・性能検証を行っており、2022年度より一般空調用途での実用化展開を予定しています。将来的には、より制御精度が要求される産業空調用途への展開も視野に入れており、現場の負担軽減と顧客ロイヤルティの向上に適応する技術として提案してまいります。
〔公式ページ〕
▷新日本空調:AIを活用した空調制御最適化技術を開発
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください
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