東京電力のグループ企業、TEPCOホームテック(岩崎辰之社長)が展開している太陽光発電システムのリースモデルの勢いが止まらない。18年7月よりソーラーフロンティアと協働で開始した『ソーラーエネカリ』だが、初期費用ゼロ円で太陽光発電システムを設置できるという新しい導入スキームに共鳴した企業とのタイアップを進め、既に有力国内外メーカーや商社など10社以上と協働・協業に至っている。「将来的にはリース利用できるメーカーをフリーとし、仕組み自体をプラットフォーム化する」(岩崎社長)という構想通り、着々と供給体制を整えている同社。「ビルダー様を中心に年間2,500件程度のペースで問い合わせを頂いている。今後はこれら引き合いを実際の導入まで繋げていく」と鼻息は荒い。実際、土屋ホームや丸商建設など住宅事業者も「災害時の安心」や「家計への負担軽減につながる」等の理由から住宅商品にスペックインし、ZEH提案に同モデルを活用している。さらに東京都では、購入ではない“利用モデル”の推進を図るべく、新たにリースを含めた第三者保有モデルに補助金まで用意した。そんな追い風も受ける同社は、このほど蓄電池版のリースモデル『蓄電池エネカリ』を開始。売電期間満了を迎える卒太陽光ユーザーをメインに初期費用ゼロ円の蓄電池利用を提案していく。
余剰電力の有効利用、防災力を提供
今年11月以降は、約53万件もの太陽光発電システムが随時、売電期間満了を迎える。その後の売電価格は8円/kWh前後となり、卒FITユーザーは余った電力を売るよりも自家消費した方が経済性は高まる。そんな中、蓄電池は余剰電力を有効的に利用するデバイスとして存在感を強めている。さらに近年多発している自然災害に対しても、非常用電源としてニーズが増している状況だ。
これらメリットのある蓄電池だが、導入に際し、最大のネックとなっているのがイニシャルコストの高さ。同社はこれに対し、初期費用ゼロ円を強みに普及を図る。ただし岩崎社長は「訴求ポイントは防災と蓄電池によるエネマネ効果にとどまる。経済性については市場が拡大し、価格低減が進んでから」と話す。太陽光発電のリースの場合、月々のリース料が発生するものの、売電収入や光熱費削減効果から余りある経済メリットを得られる。対して蓄電池は、リース料を上回るほどの経済効果を得ることは難しい。あくまで安心を享受できるサービスとしての位置付けとなるわけだ。
『蓄電池エネカリ』でも既に9社の製品をラインナップしており、対応メーカーは今後も拡大させていく。岩崎社長は「『エネカリ』モデルをプラットフォーム化し、市場に浸透させていくことで、“所有から利用”へと意識転換を促していきたい」と意気込みを語る。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.53に掲載したものより抜粋しています。
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