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ZEHや自家消費を皮切りに 「ニッポンのすべての屋根に太陽光発電を」

 09年度の余剰電力買取制度が始まって以降、急速に拡大してきた住宅用太陽光発電システム。既に累計では240万件を突破し着実に普及の一途を辿る。更なる市場拡大に向けたZEHへの期待感、そして主力電源化を目指す太陽光発電の今後の方向性とは。「ニッポンのすべての屋根に太陽光発電を」とのスローガンを掲げる太陽光発電協会(JPEA、平野敦彦代表理事)の増川武昭事務局長に訊いてみた。

これまで太陽光発電市場は、 どのように 推移してきたのですか?

 住宅用太陽光発電は当初、独立電源として系統連系せずに利用されていましたが、92年に初めて、逆潮流ありのシステムが導入され、現在の運用方法がカタチ作られました。当時はkWあたり100万円以上もする高額商品で、現在の様な経済合理性による導入ではありませんでした。しかしその後、2009年度に余剰電力買取制度がスタート。さらに補助金も導入され、太陽光発電は経済性を備え、徐々に市場は拡大しました。そして周知の通り、12年度に固定価格買取制度、所謂FIT制度が施行され、普及とともにシステムコストが低減、市場は急速に伸長しているところです。新商材やサービスを比較的早い段階から利用するアーリーアダプターの方々には一通り採用頂いたのではないかと思います。太陽光発電はこれからアーリーマジョリティーの領域へとステップアップしていく段階です。

順調に拡大してきたと。 一方で縮小傾向ではないかと指摘される風潮もあります。

 市場の構造的な問題があります。 FIT制度開始以降、住宅用を手掛けていた多くのプレイヤーがボリュームのある産業用に事業をシフトさせたことがひとつの大きな要因となっています。現在も住宅分野への回帰は弱く、特に市場を牽引してきた既築向けが逓減傾向にあります。そんな中、世界的なCO2削減の動きを背景に、太陽光発電が必須となるZEHや自家消費という概念が注目を集めているのはご承知のとおりです。住宅用太陽光発電の設置率はまだ1割にも到達していません。国が掲げる家庭部門のCO2削減はもちろん、これを20~40%へと持って行くには、ドライブとなる要素が必要であり、ZEHがこの一つであることは間違いありません。既に多くの住宅事業者さんがZEHビルダーに登録し、着実に実績を積み上げ新築分野において強力な推進力になってきています。一方で既築分野に関しては、建物の耐久性や設置に不向きな屋根形状・素材など制約が多いケースもやはり存在します。この点に関しては軽量化やシースルー、壁面設置といったバリエーションを増やすなど業界一丸となって開発を進め市場喚起させていきたいと考えています。

出力制御や廃棄問題などネガティブなイメージや風評被害を払拭していくには?

 太陽光発電はまだ若い市場であるため出力制御や自然災害による事故、廃棄問題などネガティブなイメージが多く取り沙汰されてしまいます。主に産業用で指摘される問題ではありますが、これが住宅分野にまで影響を与えているのは事実です。いうまでもなくZEHには太陽光発電が必須です。これらの風評でZEH市場に影響を与えるようなことはあってはならないと考えています。ZEHを通して住宅事業者さんが太陽光発電を標準的な住宅設備として取り扱って頂く過程で、業界団体としては、正確な情報発信やガイドラインの作成など適切な仕組み作りを通して一つ一つ払拭していきたいと思います。また、これまでは太陽光発電そのものの拡大という議論が中心でした。ただ、単体では出力をコントロールできない再エネが増えるということは、系統における需給調整の負荷も増すことになります。そこで今後はHEMSや蓄電池などを組み合わせたソリューションを周知し、能動的に系統安定化を図るなどで、主力電源化、ひいては「ニッポンのすべての屋根に太陽光発電を」を目指していきたいと思います。

※本記事は月刊スマートハウス別冊 『ZEH MASTER 2018』 に掲載したものより抜粋しています。

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