カネカグループで住宅用断熱材などの建設用資材販売を担うカネカケンテック(堀江康則社長)は、地域ビルダー・工務店の断熱レベルのさらなる向上のため、ZEHやHEAT20等の高断熱水準に適合できる設計仕様を提案し、高断熱住宅に取り組む“キッカケ”を促す活動に注力している。堀江社長は「代表仕様例などを提示することで、まずは高断熱設計の感覚をつかんでもらい、高断熱住宅のハードルは決して高くないことを意識づけている」と話す。これまで主に供給してきた大手ハウスメーカーや、グループのカネカのお家 ソーラーサーキットに加盟する工務店のみならず、地域で高断熱住宅に取り組む意欲的なビルダー・工務店層を取り込んでいくことで、前年比10%増ペースでの事業成長を狙う。
同社は、断熱材『カネライトフォーム』販売を中心とした住宅環境事業と、土木用発泡スチロールの提供を行う地盤環境事業の大きく2つの事業で構成され、売上規模は約200億円、住宅環境事業が約8割を占める。新築住宅着工数に大きく左右される断熱材市場だが、直近ではZEHやHEAT20水準の高断熱住宅の比率が増えていることから、 1棟あたりの断熱材使用量は増加傾向にある。とりわけHEAT20に関しては、温暖地でも寒冷地並みの断熱設計となる新水準『G3』がこのほど設定されるなど、高断熱化の機運は一層の高まりをみせている。
こうした背景から「前年比増の販売量で推移している」とするが、更なる高断熱化の推進を図るためにも、地域ビルダー・工務店に対する啓蒙活動に着手している。ZEHにおいては、30坪、45坪といった標準的な住宅でZEH外皮基準をクリアする際の参考厚さ、仕様等を用意し、高断熱設計の勘所を押さえてもらう周知活動を行っている。HEAT20の『G3』をはじめとする高断熱水準に対しては、λ値0.022の『カネライトフォームFX』等の拡販を強めていくとしている。「今年度より、従来のプル型の営業スタイルから、プッシュ型の販売戦略へと舵を切った」とし、地域ビルダー・工務店への提案部隊を拡充するなど、積極的な姿勢を見せる。
職人不足・施工熟練不足対策にプレカット、断熱パネル推進強化
このほか同社では、深刻化する職人不足や断熱施工技術の低さといった業界の問題等に対応し、フルプレカット加工の展開を強化する。フルプレカット加工は、現場の負担を減らすだけでなく、機械ならではの均一な作業で品質の高いスピーディーな加工品を提供できる。作業の省力化、工期短縮、端材発生の抑制、施工精度の安定化などメリットが多い。「提携するプレカット拠点を主要都市周辺に増やし、全国に迅速にプレカット加工品を送り出せる体制を整えた」とする。さらに、現場作業の省力化に加え、熟練性を問わないため、施工品質の安定化を図れる大型断熱パネルも断熱パネルメーカー等と組み進めている。こうした一種の工業化によって、職人の手を減らし、結果的に職人不足を解消することもまた、今後注力する取り組みの一つとして挙げている。地域のビルダー・工務店に寄り添った同社の各種展開に益々注目が集まりそうだ。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.55に掲載したものより抜粋しています。
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