再エネ普及と低炭素社会の実現に向け関西大手企業による新たな協業体制が生まれた。京セラ(谷本秀夫社長)と関西電力(岩根茂樹社長)は3月27日、緊急記者会見を開き、住宅太陽光の初期費用ゼロ円設置モデルを展開する「京セラ関電エナジー合同会社」の設立を発表。4月1日からスタートを切り今秋頃の本格始動を目指す。設立当初資本金は1千万円(出資比率:京セラ51%、関西電力49%)。職務執行者には京セラソーラーエネルギー事業本部の小谷野俊秀副本部長と関西電力の大川博巳執行役員の2名が就く。
会見冒頭に京セラの谷本社長は「低炭素社会の実現に向けた自家発電用の太陽光への期待は大きい。COP21において持続可能な社会を目指す『パリ協定』が採択され、民間企業においても『RE100』に加盟する企業が増えてきている。経済産業省においては『2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を実現する』との目標が掲げられている。これらを背景とし新会社でのサービスを提供することで環境配慮型住宅の促進や再エネの普及に貢献していきたい」と設立趣旨を説明。関西電力の岩根社長は「新中期経営計画で宣言した通り、当社は今後、低炭素のリーディングカンパニーとして気候変動問題への対応をはじめ環境負荷の低減に取り組んでいく。再エネに関しても国内外において積極的な開発と活用を進めていく。新たなサービスの提供をもって再エネの普及と低炭素社会の実現、エネルギーに関するお客様の選択肢を広げていきたい」と意気込みを語った。太陽光と電力の老舗がこれまで培ったノウハウとリソースの融合を図る。
新会社のビジネスモデルは新築時に住宅太陽光発電(10kW未満)の設置希望者が初期費用無しで京セラ製を設置できるというもの。契約は原則10年とし満了後はユーザーへ無償譲渡される。期間中は京セラの10年保証でメンテナンス対応が受けられる。発電した電力が不足する場合は系統電力が供給される仕組み。具体的な料金体系等は未定だが関西電力の大川執行役員は「魅力を感じていただける料金を提供していきたい」とコメントしていた。詳細の公表と受付は夏頃を予定。対象エリアは関東および中部から。京セラの小谷野副本部長は「当社の販売網であるFC店等から住宅事業者へアナウンスしていく。中堅や地場で活躍される企業の皆様をサポートしていきたい」と営業方針を話し「5年間で4万棟」との数値目標を掲げていた。今後の拡張性については、新築だけでなく既築分野や太陽光に加え給湯機、蓄電システムといったスマエネ機器の組込等も構想しているという。再エネやZEHを切り口とした電力市場での顧客争奪戦がいよいよ熱くなっていきそうだ。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.51に掲載したものより抜粋しています。
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