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前年比2割増5.3万棟、供給シェア1割台

ZEH・LCCM 特集・連載 2019/11/01 18:00

 18年度も過半数・標準化に及ばず果たしてZEHは標準化されるのか――。年度毎の進捗に注目が集まるが、18年度実績報告では対前年度比2割増の約5.3万棟で推移。前年同様に過半数・標準化には数歩も遠い状況が明らかとなった。

登録数は前年比3%増の7,371件またも「報告なし」が2割超

 18年度の纏めとして参画事業者の現状から分析してみる。今年で4年目となるZEHビルダー/プランナー登録は前年比3%増の7,371件と僅かに増加。過去3年の勢いに比べやや頭打ち感が出始めた。年度毎の推移をみると単年度では下降線を辿っているのが判る。地域分布については登録数が微増であったことから昨年度と同様に中部、関東、近畿、都道府県別では静岡県、愛知県、福岡県に集中していることに変化はなかった。需要地に応じて全国をカバーしている。登録種別も難所と言われる北海道の区分〔A登録〕が3%と僅かだった。注文・建売・改修の分野別には〔新築注文住宅〕を選択する事業者が大半を占めている。新築住宅着工に対する供給カバー率も上昇していない。大手・中堅ハウスメーカー上位30社程度で供給規模の半数以上を握り、社数別には地域ビルダー・工務店が大多数である。昨年より始まった「5つ星」に関しては全体の約4%に相当する計336件が選抜され最高ランクを獲得した。本題となる実績報告をみてみる。ZEHビルダー/プランナー登録や補助金活用には各種申告が義務付けられているが、残念ながら報告を行った事業者は全社ではなく約8割。その他はまたも未報告だった。取り組み具合を「本気度」とするならば、最低ラインでもある報告義務を確実に行っている約5,000社が『ZEHビルダー』と呼ぶに相応しいのではないかと穿ってみえる。また「実績がないビルダー」も前年と変化がなく5割にのぼることから、本気度が高い『真のZEHビルダー』は3割に満たないことになるだろう。

平均実績は13%と低調実現力も二極化進む

 事業者が掲げた目標値に対し実績値を差し引いたものを「達成度」とすると「目標を下回った」が8割(4,491社)、「上回った」が1割(831社)だった。比率としては前年と変化はないが「目標を下回った」が100社近く増えている。一方で「過半数超え」は1割(674社)を維持し前年から約80社の増加となった。全体傾向として、目標に対する実績平均値を「実績の有無」で比較すると「実績無し」を除いた場合の平均値は約37%と水準が高まってきている。一方で「実績無し」を含むと前年よりやや上昇するも13%まで低下する。これらの事象を総合すると「やる気がある・ない」「できる・できない」の二極化傾向が続いていることが判る。大手事業者30社の動向をみてみると目標値平均32%に対して実績値は25%だった。既に「過半数」を達成したのは積水ハウス、一条工務店、積水化学工業の3社のみ。目標達成した事業者は30社のうち12社で半数は未達成であることから大手・中堅であっても苦戦を強いられている状況だ。

「顧客の予算制約」問題太陽光のゼロ円設置モデルが鍵に!?

 普及状況は前年比2割増の約5.3万棟規模。未報告分を含めると上振れするとみられるが依然として二桁には届かず。実数ではプラス1万棟と伸長率だけでみると好調だが、供給シェアは1割と標準化には数歩も及ばない。「大手ハウスメーカー・工務店等が新設する住宅の過半数」という文言を「ZEHビルダーが…」に読み替えると2割を超えるがゼロエネ普及の理念として疑義が生じてしまいそうだ。残された時間は僅か。過半数超えや標準化なるか。市場はまだまだ正念場である。とはいえ、ZEH普及に対する事業者の意識はプラスの方向へ。課題解決に対しより具体的になってきている。「やる気はあるが未達成」の事業者も多いとみられる。昨年末に開催された『ZEH支援事業調査報告2018』におけるアンケート調査では未達成要因に関して「顧客の予算」「理解が引き出せなかった」「体制不備」の順に要因が挙げられた。これまでは「体制不備」「顧客の予算」「理解が引き出せなかった」だった。上位の項目に変化はないが「体制不備」を超えて「予算」「理解≒メリットの訴求など」をどのように解消するかが焦点として認識され始めている。つまり、糸口がみえればオセロの様に市場は好転する可能性を秘めていると言える。特にコスト高と目の敵にされる太陽光発電に関しては、初期費用ゼロの第三者保有モデル(PPAなど)が出揃ってきた。仕組みさえ説明できれば「予算制約」問題は一挙に快方へ向かうのではないかとみられる。また、脱FIT、自家消費拡大やVPP構築の中で、このビジネスモデルに対し補助を出すような要望・提言も聞こえてきている。関連プレイヤー、政策動向ともに目が離せない。

※本記事は月刊スマートハウス別冊 『ZEH MASTER 2019』 に掲載したものより抜粋しています。

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