卒FIT向けの買取プランの企業参画の勢いが衰えない。大手電力会社の電力預かりサービスなど注目株はもちろん、地域新電力による地元密着のプランも目立ち始めている。さらに神奈川県や消費者向けの住宅関連検索サイト等を運営するSpeeeの卒FITユーザー向け相談窓口サイトといった関連サービスが登場するなど賑わいを見せている。
東電・中国電、電力預かりサービスの詳細発表、東電は買電との相殺型
電力預かりサービスは、卒FIT太陽光の余った電力を仮想的に預け、買電量から差し引いたり、通常買取よりも高い金額で割引を行うものである。東京電力は、同サービスの構想自体は早い段階から発表していたが、このほど詳細を明らかにした。利用料は4,000円/月で、毎月250kWhまでの預かりに対応、超過分は通常買取プランと同様の8.5円/kWhで買取る。特長的なのは、預けた電力は買電量と相殺する点。擬似的に自家消費していると言え、まさに蓄電池を導入したときと同様のメリットを設備投資なしで実現できる。単価の高い使用電力量から優先的に差し引くため、高い時間帯の実質売電単価は30円以上にもなる。サービス利用料を要するが、余剰売電量が多いユーザーほどお得になると試算している。
対して、中国電力では、サービス料を不要とする代わりにポイントを加算することで通常買取よりも高い価格水準を提供。預けた分や夜間の使用電力量に応じて、独自の『エネルギアポイント』を付与する。同ポイントは中国地域の特産品や提携先ポイント等との交換に利用できる。余剰電力量が9.5kWh(同電力の一日平均余剰電力量)とした際、預かりプラン利用で、月3.2万円のメリットがあるとする。蓄電池を導入した場合、従量電灯プラン時には月2.3万円(本体価格13.5万円/kWh、工事費なし、余剰電力は全て蓄電など同社独自試算)であるとし、預かりプランの経済性を示している。
ユーザーからの問い合わせ多数、専用サイトで案内サービスも
卒FIT太陽光に対しては、売電期間が切れる前に個別に通知されるが、それでも期間満了後の処遇について、不安を抱えるユーザーは少なくない。Speeeが19年5月より運営を開始した売電先や自家消費の選択をサポートする専用サイト『太陽光発電のナコウド』が、利用者数10万人を突破したとするほか、実際の声としても、神奈川県産業労働局産業部エネルギー課太陽光発電グループの上平義樹リーダーは「卒FITに関する相談が増え始めている。自家消費あるいは売電継続のどちらかが選択肢として挙がるが、どこに頼めば良いのかわからないなどの声が届いている」と話す。そこで同県は、販売店毎の蓄電池導入に掛かる費用や卒FITの買取プランを一覧で紹介するサイトをHP上に用意することを発表した。これに先立ち、7月10日から8月9日に掛けて登録プランを公募した。
HP上に用意する『かながわ蓄電池バンク』、『かながわ余剰電力買取プランバンク』では、蓄電池の導入あるいは売電継続について、登録プラン毎の内容を一覧掲載することで、売電期間終了後の発電電力の使い道や要する費用等の情報を提供する。蓄電池プランでは、販売店毎に取扱いメーカーや型番、導入に要する標準的な費用などが掲載される。上平リーダーは「登録申請頂いた内容を掲載するため、企業によって取扱メーカーや価格も様々になると見込まれる」と語る。消費者にとっては、見積り不要で費用感を把握できるものとなる。卒FIT市場開幕に向け、様々なサービスが出揃ってきた。
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