2019年より現れ始める売電期間満了を迎えた太陽光発電、所謂卒FIT電源の電力はどうなるのか。国は「電力事業者との自由契約を想定」と方向性を示したものの、一向に電力の買取を表明する事業者は現れず、依然として不安視されていた「19年問題」であったが、いよいよこの不安は払拭されそうだ。昨年11月から12月にかけて、電力各社は挙って卒FIT電源の電力買取を表明、さらに太陽光パネルメーカーのソーラーフロンティアとこの親会社である昭和シェル石油等の新電力会社も買取サービスを開始する旨を発表した。余剰電力買取制度(現・固定価格買取制度)は09年11月からスタートしたため、実際に卒FIT電源が現れ始めるのは19年11月からであることから、現状はあくまで買取の表明に留まり、具体的な買取プランは4月以降とする事業者が殆どであるが、単なる買取だけでなく各種サービスとの紐付けを検討するなど「19年問題」に対するアクションが活発化している。
卒FIT後の売電、認知度約40%
各社の買取表明が重要なのは何故か。「19年問題」について簡単におさらいすると、FIT制度は、電力会社に再エネで発電した電力の買取を義務付けたものであるが、売電期間が終了した再エネ電源は、FIT制度下の電源ではなくなるため、買取義務が無くなる。故に冒頭の通り、卒FIT電源については、自由契約とするわけだが、買い手が居なければ、売りたくても売れないのは言うまでもない。蓄電池や給湯機の蓄熱を利用して自家消費率を高めることが最も経済的となることは、本誌で繰り返し報じてきたが、完全な自家消費を実現することは難しい。売り手不在の場合には、余剰電力はタダで系統に流すことになる可能性が高いため、売り先は見つけておくべきというわけだ。この点については、電力を系統に流すことにより、系統網の周波数調整の負担が増す可能性があるため、無償での引受とする方向で検討されている。
昭和シェル石油とソーラーフロンティアが18年11月に実施したアンケート調査によると、卒FITにより電力の売電先が広がることや、将来的に一般家庭にも直接売買できることを認識していた人は1112人中、39・8%であった。調査対象は学生を除く20〜60代の男女で太陽光ユーザー以外も含む数値であるため、高いと取るか低いと取るか。いずれにしても100%ではないため、売電期間満了を迎えるユーザーにはアフターフォローとして周知しておく必要がありそうだ。加えて「自宅の太陽光で発電した電力を自家消費または、誰かに販売できるようになればどう思うか?」という設問では、「(とても)良い」が54・7%、「どちらでもない」が36・3%、「(全く)良くない」が9%と過半数が肯定的であった。この理由として「太陽光で使い切れない電気を有効活用できそう」、「環境にやさしい電力を広げられそう」、「節電、省エネの意識が高まりそう」など環境を意識した回答が目立った。さらに発展した「他の家庭の太陽光の電力を購入できるようになれば、どう思うか?」という問いに対しては、「電気料金が安くなりそう」、「環境にやさしい電力など購入の選択肢が増えそう」等の理由から約半数が賛成意見であった。この結果を受け、昭和シェル石油はブロックチェーン技術を活用した相対の電力取引を早期に実現すべく、東京電力のグループ会社で電力やエネルギー事業で様々なスキームを展開するTRENDEに出資。他の企業でも系統安定化のための需給調整(デマンドレスポンス)といったサービスを志向している。自由契約だけに、プランの内容は今後、高度化するものとみられる。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.48に掲載したものより抜粋しています。
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