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山口工務店:三重県型パッシブZEHに挑戦! 地域性富んだ施主目線の 家づくり徹底でZEH目標達成へ

ZEH・LCCM 事業者 2018/10/20 10:00

 三重県伊勢市を拠点に、地域の風土に根差した家づくりを提案してきた有力ビルダー、山口工務店(山口毅社長)。同社が目指すZEHは、自然の力を上手く取り入れるパッシブ設計に加え、耐震性に優れ、かつ電力の自給自足までを見据えた環境に優しく災害に強い住宅である。予算負担軽減を目的としたPPA活用、動線や老後を考慮した平屋シリーズも構想しており、より施主目線のZEH開発にも意欲的だ。

 創業40年を迎え、三重県全域で注文住宅をはじめ、リフォーム、公共建築まで手掛けてきた山口工務店だが、新築住宅事業については地場ビルダー大手の請負施工からスタート。そこで培った確かな技術と経験をもとに自社供給に切り替え、今や年間40棟規模を供給するまで業容を拡大させている。自社専属となる20名以上の地元・大工職人集団『棟梁会』による限定施工の展開で、家を建てた後もキメ細かなサービス体制を整えている。

 省エネ関連住宅に本腰を入れ始めたのは2013年から。山口圭造取締役は「この頃から自給自足までを見据えた環境重視型住宅を構想していた。同時に、モデルハウス併設の地域最大級のショールームを開設し、これまで明示してこなかった当社の家づくりのコンセプトを固め、地域ブランドの構築に傾注してきた」と振り返る。もとより、高い技術力、設計力を持っていたこともあり、わずか5年で同社ブランドは地元ですっかり定着した。

 そんな同社が展開するZEHの特長はまず、パッシブ設計を施している点。三重県は降水量が多く、高温多湿な気候で、台風や、地震被害の懸念もある地域である。一方で日射量は多い。「こうした地域の風土に対応することこそが省エネの入り口と考え、従来から日照・通風に優れた設計を行っている。奥行きのある庇をもうけ、夏は室内に影を落とし、冬は室内に光を通し、設備に極力頼らず建築デザインによって室内温度を調整させている」(山口取締役)と話す。

 これに現場発泡ウレタン断熱とアルミ・樹脂複合サッシのペアガラス窓で断熱性能を高め、UA値0.6W/㎡・K以下の標準化を実現。加えて、天井高まであるオリジナル建具の引き戸をすべてに採用。高断熱仕様であるため、開けっぱなしでも温度ムラが殆どなく、空間を広く見せることもでき、生活者の暮らしに応じて可変できるとする。このほか、家と庭を隔絶せず〝自然との繋がり〟にもこだわり、地震対策についても、コーナーベースを設けた強固なベタ基礎と、91㎝四方で細かく組み込む頑丈な骨組みにより耐震等級3を取得可能な設計を施している。

 「この躯体に加え、当初から抱いている自給自足のコンセプトを実現するため、大容量蓄電池を用い、オフグリッドに近い生活ができるZEH提案に挑戦した。常時起きるようになった災害に対し、より安心・安全な住宅として訴求している」(山口取締役)とする。

 今後は、より施主目線に立ったZEHづくりを構想する同社。一つが、太陽光発電設置費用ゼロのPPAモデルの活用だ。太陽光発電にかかる予算負担を減らし、リーズナブルなZEHを目指す。また、生活しやすいバリアフリーな平面で老後を考慮した平屋ZEHのラインナップも予定している。パッシブ設計でオリジナル工法、仕様をベースに様々なアレンジを見せる同社から目が離せない。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.45に掲載したものより抜粋しています。

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