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【政策】ZEHの定義一部改定:エネファーム発電が創エネ反映可能に

政策 ZEH・LCCM 2019/02/16 17:00

 何をもってZEHとするのか。考え方自体は、家で使うエネルギーよりも創るエネルギーの方が多い、またはプラマイゼロの住宅を指すが、正式には国が定めた定義がある。
経済産業省は2月14日、この定義を一部改定した。設計に関わる変更点は大きく2つ。①再生可能エネルギー以外の設備で創ったエネルギーでも省エネ設計に反映できるようにしたこと、②外皮基準について『相当』という表記を削除し、 UA値に一本化したことである。

ダブル発電時のエネファーム売電解禁が背景

 これまでの定義では、ZEHとは『省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅』とし、創エネについては再エネしか認めていなかった。しかし今回の改定では、批判はあるが、再生可能エネルギーの後ろに「等」という一文字を追記することで、再エネに限らず、エネルギーを生み出す設備をZEHに使用できるものとした。とは言え、ゼロエネを目指す上で利用できるのは、発電と給湯を同時に行う、エネルギー効率の高いエネファームぐらいであろう。一般的な発電機では、発電効率の関係上、省エネにならないためである。

 なぜ今回、この様な定義改定に至ったのか。ダブル発電時のエネファームの売電解禁が背景にあるが、順を追って説明していきたい。まずエネファームにはPEFCとSOFCという2タイプが存在する。前者は給湯需要に合わせて発電、後者は常に発電し続ける仕様となっている。常時発電するSOFCでは、当然、余剰電力が発生する可能性があるわけだが、エネファームのみの単独設置であれば、余剰電力を売電(逆潮流)することができる※。しかし太陽光発電と併設するダブル発電の場合には、エネファームの逆潮流は禁止されている。これはエネファームの電力が再エネ由来ではない、つまりFIT制度の買取対象外であるため。ダブル発電時にエネファームの逆潮流も許可した場合、太陽光発電の電力とエネファームの電力が混ざってしまい、FIT対象外の電力も買い取ってしまうことになることから禁止としていた。故にSOFCでは夜間など太陽光発電が稼働しない時間帯でも余剰電力が発生しない様に出力を抑えて運転している。FITの制度変更により、今後、ダブル発電となる際には、『差分計量』という新たな計量法を採用できる様になる。上図の通り、太陽光発電とエネファームの余剰電力を別々に計測できるため、ダブル発電でも逆潮流が可能となるわけだ。

 ZEHでは、必ず太陽光発電が搭載されるため、特にSOFCはこれまで実力を最大限に発揮できていなかった。このほどの逆潮流解禁と定義改定によって、本来の効率を設計に反映できるものとなる。経産省ではエネファームの余剰売電分のエネルギーを加味すると年間8.2GJ分の創エネ効果になると試算している。太陽光発電の容量に換算すると約0.8kWとなり、狭小地などゼロエネ達成に必要な容量を載せられないケースにも有効となる。一方外皮基準については、これまでq値からの換算でUA値を算出する(=相当)方法も許可していたが「UA値が業界に浸透してきたため(」資源エネ庁省エネ課 山名大民生対策係長)、『相当』の表記を削除しUA値に一本化することとなった。『等』の追加、『相当』の削除と僅かな表記の変更であるが、実際の省エネ設計には大きく関わってくる。全社的に把握しておいた方が良いだろう。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.51に掲載したものより抜粋しています。

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