省エネやバリアフリーの新築・リフォームを促進させた住宅ポイント制度が帰ってきた。国土交通省は19年10月の消費税率引き上げに備え、『次世代住宅ポイント制度』を19年度予算案に盛り込んだ。増税後も新築取得やリフォームにメリットが出るよう対策を講じ、住宅投資を喚起する。
同制度は「環境」、「安全・安心」、「健康長寿・高齢者対応」、「子育て支援、働き方改革」に資する住宅の新築・リフォームを対象に、該当する工事や設備の導入に対してポイントを発行するもの。新築では断熱や一次エネ、耐震、高齢者等配慮など各種性能等級で規定の条件を満たす住宅、リフォームでは断熱、耐震、バリアフリー改修などが対象となっている。取得したポイントに応じて、用意された商品と交換することができる。具体的な商品については、環境・省エネに優れた商品、防災関連、家事負担軽減など同制度と同じ方向性の商品を中心に、公募によって選定するとしている。
同様のポイント制度は、14年度の『住宅エコポイント』や15年度の『省エネ住宅ポイント』など過去にも実施されている。今回は良質な住宅ストックの形成を目的に〝次世代〟住宅の普及を図っており、リフォームでは、宅配ボックスや掃除しやすいトイレ・レンジフードなど家事負担の軽減に繋がる設備の設置や、若者・子育て世帯が既存住宅の購入と同時に行う100万円以上の改修を新たに追加した。加えて新築でも、これまで省エネ関連のみを対象としていたが、劣化対策や維持管理に配慮した長持ち住宅、耐震、バリアフリーなど細分化。さらに優良ポイントとして、ZEHや長期優良住宅などに適合する場合はポイントを加算する等のオプションも用意した。その目的通り、エネルギーに限らず、高齢化や子育て・家事負担軽減など社会問題の軽減を図る次世代住宅を促す制度としている。
減税・給付金などの消費増税対策も用意
国交省では、消費税率引き上げに伴う住宅取得の対策として、同制度を予算に計上したが、他にも2つの施策を用意している。1つは住宅ローン減税の拡充である。通常控除期間10年間のところ、3年間延長し、建物購入価格の8%から10%に上がる消費税の増税負担分(2%)をカバーする範囲で減税を行う。19年10月1日から20年12月31日までの間に居住した場合に適用するとしている。もう一方は、すまい給付金の増額・対象所得層の拡充だ。同制度は住宅ローン減税の拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層に対し、住宅取得に係る消費税負担増をかなりの程度緩和するため、収入に応じ現金を給付するもの。増税に伴い給付額は最大30万円から50万円に引上げ、対象となる所得階層も年収510万円以下から775万円以下にまで引き上げるなど拡充を図る。21年12月末までに引渡しを受け、入居したものを対象とする。
様々な増税対策が講じられる予定だが、もちろん従来通りの各種補助金も用意されており、同省では地域型住宅グリーン化事業を、環境省もZEH化による住宅における低炭素化促進事業を継続する予定である。ZEH補助について、昨年8月に提出した概算要求では、先進的省エネ家庭用浄化槽の導入への支援が新規対象設備として挙がっていたが、直近の予算案では補助対象から外れた。また経産省が実施するZEH+向け補助金では、停電時にも自立可能な蓄電池等を備えた、レジリエンスを強化した住宅の普及を促進するなどの内容が盛り込まれており、さらなる発展を見せそうである。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.48に掲載したものより抜粋しています。
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