19年の住宅用断熱材出荷量(面積ベース)は、ZEHやHEAT20グレード対応の高断熱住宅の普及が進み、断熱材の利用シーンや住宅1戸あたりの使用量が増加したことで、前年比0.3%増の386百万㎡規模となった。20年は、新築戸建着工数は横ばいが予想されるも、引き続きZEHなどによる住宅の高断熱化が市場けん引要因となり好環境は維持するものとみられ、同0.3%増の387百万㎡規模で着地すると推定する。
とりわけ、高性能住宅の新築市場では、2020年の省エネ基準義務化が先送りとなったものの、大手ハウスメーカーを中心にZEHを超える断熱水準の標準化が進み、地域ビルダー・工務店も大手と遜色ないレベルで追随している状況である。補助金等も相まって徐々に住宅性能のボトムアップが図られており、断熱材需要も比例して増加傾向にある。加えて、より高性能な断熱材へシフトする動きもみられ、断熱材販売トップクラスの旭ファイバーグラスでは、高性能品の安定供給を図るため従来の2工場に加え、高性能断熱材専用の製造拠点として愛知県豊橋市に新工場を建設し、10月より稼働。高性能品の比率が拡大している。一方で、大工職人の高齢化や人手不足を背景に、現場発泡硬質ウレタンフォームの販売拡大も目立つ。専門の施工業者にアウトソーシングできる等の手軽さが受けているが、拡大に合わせて施工技術力のバラつきの課題も浮き彫りとなっているようだ。このほか、省力化・工期短縮・施工精度の安定化などが図られるフルプレカット加工の対応を強化する動きや、予め工場でサッシや防水シート、断熱材等を一体化させたパネルを完成させ、現場で在来の金物工法とまったく同じように組み立てることができる木造
大型パネルサービスも台頭してきている。
こうした中で20年は、年間300戸以上の注文戸建住宅を供給する事業者もトップランナー制度の対象に追加され、省エネ基準を上回る基準の適合が求められるほか、21年の説明義務化に向けた仕様づくり等の動きも顕在化し、断熱材需要は伸長するとみられる。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.60に掲載したものより抜粋しています。
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