時間帯別料金と言えば、一般的に昼間の単価が高く、夜間が安いという体系を採る電力プランの種類の一つである。熱交換を繰り返して徐々にお湯を沸かすエコキュートとの相性は抜群で、同製品を提案する際の最大の武器でもある。そんな中、半導体製造装置の開発・製造や太陽光発電事業を手掛けるデンケン(大分県、石井源太社長)の子会社、新電力おおいた(山野健治社長)は9月17日、昼夜安価で昼間が最も安いという独自の時間帯別料金『SUN給プラン』を打ち出した。常識を覆す同プランは如何にして誕生したのか。経緯と狙いを訊いた。
リスクなく昼間沸上可能系統負担減の社会的意義も
新電力おおいたは、大分県内において26MWを供給。このうち7割が高圧分野、3割が住宅を含む低圧となっている地域新電力会社である。親会社のデンケンは、売上高70億円規模で半導体装置事業が80%を占める。ソーラー事業では遠隔監視システムや検査装置等の開発のほか、発電所の提案・施工を手掛ける。これまで九州エリアを中心に33MWのメガソーラーを建設、うち22MWは自社で発電事業も行っている。しかし、電力需要に対し太陽光発電の導入量が多い九州電力管内では、出力制御が実施される日がある。同社でも今年、6日間の制御に対応し、損失が発生した。山野社長は「出力制御は需給バランス調整のためには必要。しかし折角の再エネ電力は極力利用すべき。当社に限らず発電事業の収益にも直結する。発電事業、電力事業を展開している当社だからこそできることはないかと検討する中で、エコキュートの昼間運転という考え方を知り、今回のプランが誕生した。エコキュートが昼間沸上することで1台あたり約2kWとなる。これが1,000台集まれば2MW。採用数を増やし系統負荷低減にも貢献していきたい」と経緯、意義を語る。
そんな『SUN給プラン』は、卒FIT電力の買取と電力契約がセット。卒FITは10円/kWhで買取る。昼間沸上の実施を前提にメリットが出るプランとしており、基本的には10~14時の時間帯にエコキュートの太陽光連携機能を活用、卒FIT太陽光の自家消費と安価な料金単価で経済的にお湯を沸かせるものとなっている。「現状、当社プランとピッタリ適合しているのがパナソニックさんの製品。同社製品の太陽光連携では『4時間優先モード』にすることで、10~14時の4時間を深夜沸上からシフトしてくれる。卒FITユーザーが利用している旧オール電化プランと比べても同等の経済メリットで、昼間沸上を促進できる。さらにエコキュートの場合は、翌日の天気や発電量の予測が必要となり、外れた場合には高い電力料金単価でお湯を沸かすことになる。同プランであれば、外れてもリスクがない。系統網・電力事業者・プラン利用者それぞれにメリットのあるプランを用意できた」と自信を覗かせる。社会的意義もある同プラン。13日には協議会を設立し、全国的な普及も目指している。「当社はあくまで地域新電力。他エリアにおいては、協議会会員の皆様に仕組みを提供し、それぞれ事業に活用して頂く」と語る。
〔参考URL〕
▷新電力おおいた:SUN給プラン
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