放射暖冷房システムの普及を目指す日本放射暖冷房協会(会長:佐藤央エコミナミ社長)が7月1日に設立した。同協会立ち上げに際して6月26日には都内で説明会を開催。会場には放射パネルメーカーや熱源機メーカー、設置工事会社など30社41名が参集した。
放射暖冷房システムとはパイプ内に水や空気を流すことで接地面を加熱、または冷却し、その放射熱を利用した空調システムのことを指す。暖房、冷房どちらの機能も有し、主に天井や室内壁に設置する。暖房時は単機能のパネルラジエーターや床暖房などと同様の機能を持つ。冷房時は室内の熱を奪いシステム側に結露をさせることで湿度を下げる効果もある。結露しにくい高断熱住宅では湿度が下がりにくい傾向があるため、壁や基礎のカビ、腐敗防止にもなり相性が良いとされる。しかし放射暖房単機能の設備は省エネ法の省エネ機器として認められる一方で、放射冷房は放射能力の評価に関する規定がないことから暖冷房システムになると認定されない。そこで同システムをZEHや高断熱住宅において必須の製品とするため規定を作るべく同協会を設立した。

説明会では佐藤会長が普及状況と今後の活動内容の説明を行った。佐藤会長は「システムの誕生から10年以上過ぎているが普及しておらず、認知度が低い。一番大きな要因は業界統一評価基準や効果予測手法が確立されず、メーカー間の製品の比較が困難な状態になっていることだと考察する。また冷房時は機器に結露が発生するため壁内結露への配慮やドレン排出処理などの対策が必須であり各社独自で講じているものの、設置工事品質がバラバラであることも起因しているだろう」と浸透しづらい理由を挙げた。この課題を解決するため21年4月を目処に各パネルメーカーが独自で行っている性能評価方法を標準化し、業界統一規格を定めるための活動をしていくという。具体的には快適性や省エネ性を加味した評価手法の確立や、業界統一の計算手法を開発し効果の見える化に取り組む。「快適性は人によって大きく異なり数値化が難しい。各ハードルを乗り越え将来的にはJIS化を目指したい」と展望を語った。その他業界全体の施工技術を安定、向上させるため定期的な技術講習会を開催し施工認定制度の確立も目指す。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.54に掲載したものより抜粋しています。
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