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日本版MaaS構築に向け 「スマートモビリティチャレンジ・ シンポジウム」開催

 日本版MaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)の構築なるか―。経済産業省・国土交通省は4月より新しいモビリティサービスの社会実装に挑戦する地域等を応援する新プロジェクトを始動。 6月21日にキックオフイベントとして「スマートモビリティチャレンジ・シンポジウム」を東京ミッドタウン日比谷にて開催した。会場には約400名の関係者が訪れ、新時代到来への期待感のなか知見やネットワークを共有した。

28支援事業を選定

 これは自動運転社会の実現を見据えると共に、地域的な移動課題および活性化をAI・IoTなどの技術革新によって解決・促進しようとする試み。例えば、近年問題となっている移動手段の消滅は早急な対策が求められる。地域における生産年齢人口の減少は通勤・通学での公共交通利用者の減少を引き起こす。結果、鉄道や路線バスといった事業者は不採算路線から撤退せざるを得なくなる。すると高齢者の買い物や通院等の日常移動に支障が出てくるといった具合である。悪循環は地域衰退をも招いてしまう。
 増加する外国人観光客向けのインフラ構築も十分だとは言い難い。「一体どこで乗り換えればよいのか」。都市部の長い交通渋滞もそのひとつ。「いつになれば前に進むのか」。「タイミングの良い時期にタクシー(お客)を拾えないか」など山積する問題解決やサービス拡充に乗り出すため立ち上がったのが同プロジェクトである。今年4月から5月末にかけ経済産業省は「パイロット地域分析事業」、国土交通省は「新モビリティサービス推進事業」として実証事業を公募。合計28の支援対象地域を選定。課題解決だけでなく観光創出といったビジネスモデルの構築を行う。

2022年以降に全国展開を計画

 プロジェクトを進めるにあたり『スマートモビリティチャレンジ推進協議会』が設置された。全国・地域での活動を通じ、具体的なニーズやソリューションに関する情報共有、事業性・社会受容性向上のポイント、地域経済への影響、制度的課題等を整理しビジネス環境整備を行っていく。2022年以降、全国でのサービス展開を計画している。協議会には自治体(60件)、自動車、鉄道など移動体を手がける事業者を中心とした民間企業(76件)、研究機関や業界団体等(12件)の約150件にものぼる会員が既に参画し注目と期待感が集まっている。
 開会の挨拶で石井国土交通大臣は「人口減少、少子高齢化が進むなか生産性向上による経済成長、安全・安心の確保などの課題に直面している。一方、AI・IoTが急速に進展しており、これらを活用し人々に豊かさをもたらす次の社会像がsociety5.0として提唱されている。重要な鍵を握るのがMaaS等の新たなモビリティサービスである。我が国では都市の交通混雑や地方の移動手段確保など様々な課題を抱えているが、その解決に寄与されることを期待している」と話した。経済産業省からは石川大臣政務官が「AI・IoTを用いたモビリティサービスは地域課題の解決に繋がると確信している。このプロジェクトを通し全国だけでなく世界展開に向けベストプラクティスの発掘に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。続く来賓挨拶では内閣府の赤石政策統括官が登壇し「今般、閣議決定した『統合イノベーション戦略』のなかではスマートシティを一丁目一番地としている。この中で最も重要な要素がスマートモビリティ。だが、この手の取組はバラバラになりがちである。関連省庁、自治体、企業等の相互連携が必要不可欠である。内閣府としても一体化を図るため全力でバックアップしていきたい」と述べた。その後、シンポジウムの狙いについては経済産業省の小林参事官、国土交通省の城福部長が説明。中盤では滋賀県大津市、福井県永平寺町、静岡県静岡市、群馬県前橋市、島根県大田市、NTTドコモ、小田急電鉄、 WILLER、MONET Technologiesといった9つの会員による事例が紹介された。最後にスマートモビリティチャレンジ推進協議会の石田委員長は「これからが正にスタート。第一歩を踏み出したところである。ユーザー目線をもって連携の輪を広げ、社会課題の解決、ビジネス化など官民連携で協調し進めていきたい」との旨を呼びかけ、イベントは盛況に幕を閉じた。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.55に掲載したものより抜粋しています。

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