パナソニック(津賀一宏社長)は中国福建省の太陽電池メーカーGS-Solar(China) Company (資本金約70億円、林朝 社長)と、太陽電池事業で協業するための取締役会決議を5月9日に行った。今後、同社の基幹技術であるヘテロ接合型太陽電池の研究開発会社設立に向け動く。まず、パナソニックと連結子会社である三洋電機のそれぞれの研究開発部門を、国内に設立予定の新会社に吸収分割の方法で承継させる。今年11月にはGSソーラーへ新会社の株式90%を譲渡し、パナソニックは10%の出資比率で運営する予定だ。なお、新会社の社名、出資額については未定とするが、上記の流れから秋までの立ち上げが予想される。また、新会社の本社所在地は、パナソニックの太陽電池技術拠点である二色の浜工場(大阪府貝塚市)を見込み「従事する研究開発及び生産技術者約100名は、新会社への出向を予定している」(広報部)という。
マレーシア工場は11月に売却も 調達・販売は継続
従来、アジア製造拠点であるパナソニックエナジーマレーシア(通称PECMY)は太陽電池パネルの素材であるウエハやセルから一貫生産を行ってきたが、これら体制変更から、同じく11月にPECMYの株式全てをGSソーラーに譲渡、売却を予定する。「同工場全従業員800名はGSソーラー社員へ異動となる」(同)という。しかし、同工場で生産している太陽電池パネルは、ソーラー事業の開発・生産体制の最適化を見込みつつ、今後も調達・販売を継続する。パナソニックが生産している太陽電池パネルは、アモルファスと単結晶のシリコンを組み合わせたヘテロ接合型で、一般のシリコン系セルに比べて、数%高い変換効率を持ち、温度上昇による性能低下も少なく、両面発電などの効果もある。その技術開発歴は20年を超え、科学技術の分野で学術、産業の発展に貢献した個人や団体を表彰する市村産業賞を太陽電池分野で初めて受賞したこともある。一方の、GSソーラーも、10年以上かけてヘテロ接合型太陽光発電の研究・開発・生産を行ってきた。福建省の泉州市と莆田市に2つの高効率ヘテロ接合太陽電池パネルの生産拠点を保有する。生産能力は1GWを超え最大5GWまでの増産を目指している。中でも世界的に普及している6インチセルのサイズで、HDTというヘテロ接合型セルを製造販売してきた。今回の協業により、6インチセル増産の可能性を含め、両社ともにグローバルを視野に入れた研究開発や販売が一層加速するとみられる。
今回協業計画について両社は「今後グローバルに成長が期待される太陽電池業界において、互いの技術や生産ノウハウを有効活用し、付加価値の高い製品を開発することで、ヘテロ接合型太陽電池の更なる発展が可能になる」と判断し、合意に至ったとする。新会社ではヘテロ接合技術をさらに進化・発展させることで、太陽電池の競争力を強化していく姿勢だ。翻り、現在、国内では二色の浜工場が車載用パネルを、島根工場はセルと周辺機器、アメリカのバッファロー工場はセルとパネルを、福島工場では、時計・電卓向けの民生用太陽電池を生産しているが、これら太陽電池の生産・販売は継続するとしている。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.52に掲載したものより抜粋しています。
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