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東京大学工学系研究科 真之准教授: “昼間沸上”を建築物性能に評価基盤の整備に向けた実証開始

 11月の卒FITユーザー出現に合わせる形で、殆どのメーカーが搭載した太陽光連携機能(蓄熱)は、あっという間に貯湯式給湯機の標準機能となった。言わずもがな、同機能を用いれば太陽光発電の自家消費率を高められ、CO2排出量の削減も図ることができる。この流れを受け、国交省は昼間沸上を建築物性能に反映すべく動き出した。建築基準の整備を促進する『建築基準整備促進事業』では、東京大学大学院工学系研究科前研究室と住環境計画研究所が行う『住宅における蓄電・蓄熱された電力・熱の制御及び予測手法の評価に資する技術調査』を採択し、蓄熱の評価基準の確立を図っている。

自家消費率10%強上昇、「設備投資の意識なく向上できる効率的な手段」

 蓄電・蓄熱に関する技術調査において、蓄熱については断熱など熱分野で深い知見を有する前研究室が担当している。7月より実証試験を開始しており、6地域の標準的な躯体性能の住宅に住む4人家族を想定し、夏・中間期・冬と季節別に実施する予定だ。実証過程で確認するが、理論上の試算では、蓄熱時のタンク放熱量は15時間毎に5℃低下とし、太陽光発電の容量2/4/6kWの3通りで計算。前准教授は「一般的と考えられる夕方沸上の比率20%から、昼間沸上を30/40/50%までシフトした際の自家消費率向上効果を算出したところ、太陽光発電の搭載容量に応じて10%前後上昇した」と結果を述べる。続けて「給湯機は言うまでもなく一家に一台は必要。蓄電池の様に新たな設備投資という感覚がなく自家消費率を向上できる有効的な手段であることがわかる。ましてや既存設備の交換期に差し掛かっている。仮に交換費用を加味しても製品価格自体がこなれている」と蓄熱による卒FIT対策の強みを説明する。
 今後は研究データを元に蓄熱という要素を省エネ計算プログラムへ反映することを目指すが「太陽光連携機能はまだ搭載され始めたばかり。“昼間沸上のシフト率は何%とする”など統一的な基準はない。性能評価に反映する際は、こういった昼間沸上の規格を定める必要がある。実機の性能と乖離のない評価ができるよう精査する必要がある。またFIT期間中のユーザーは売電した方が経済的。いかに昼間沸上を促進させるか」など課題を挙げる。
 今回の技術調査は、建築物省エネ法に基づく、web計算プログラムに組み込むことを目的としている。ここで留意しておきたいのは、ZEHの省エネ計算プログラムとは異なること。ZEHの場合、太陽光発電で創ったエネルギーは売電・自家消費問わず一次エネ消費量の削減に反映できるが、建築物省エネ法では、自家消費分のみに限られる。省エネ対応への努力義務が課されているトップランナー企業にとっては有効的となるが、さらに「全方位で利用促進を図るべく、ZEH+の要件として自家消費率何%以上とするなどの議論を進めていきたい。省エネ基準の説明義務化が始まる21年4月に合わせて反映させたい」と目標を語る。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.56に掲載したものより抜粋しています。

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