気候変動・省エネルギー行動会議(代表:中上英俊住環境計画研究所会長)は8月23日、東京大学生産技術研究所にて『BECC JAPAN 2019』を開催した。同会議は省エネに資する行動変容に着目した国内外の最新調査研究・実証事業等を共有することを目的としたもの。当日はエネルギー事業者や機器メーカー、住宅事業者など241名が参加した。
冒頭、中上代表は「本日、ポスター展示や口頭発表などを含め55もの省エネを図る技術や行動変容に関わるセッションが行われる。これほど横断的な分野の知識が集結することは珍しく、実りあるものにしてほしい」と開会の挨拶を述べた。
続く来賓挨拶では、経済産業省・国土交通省・環境省が登壇し、国を挙げて省エネ行動を促進させる施策を敷いていく方向性を示した。国交省建築環境計画室の成田室長は「住宅トップランナー制度の拡充、省エネ基準への説明義務化も控えている。消費者の行動変容に繋がる1年になると考えている」と所感を述べたほか、経産省と環境省はともに「省エネへのナッジ(自発的に望ましい行動を選択するよう促す)を図るような技術やサービスに対する開発支援を続け、業界の皆様と共に尽力していきたい」と意気込みを語った。
基調講演では慶應義塾大学経済学部の武山政直教授が、行動変容を促すサービスデザインの考え方や実例を紹介した。サービスデザインとは、共創という観点から様々な人々を巻き込み、その能力を引き出しながら、これまでにないサービスを創出する方法のこと。武山教授は「今後、人や社会を動かすためには、行動変容とその先の体験的価値を組み合わせて考えねばならない。その際にミクロ的、マクロ的な要因の両方を洗い出すことが重要であり、ユーザーが自らをナッジさせていくことが必要になってくるはずだ」と問題提起した。
後半は55もの企業や研究機関がそれぞれの研究について発表した。東邦ガスや早稲田大学大学院などは家庭における省エネ行動やそれに伴う家庭内事故、意識の変化などの研究結果をポスターで展示した。住環境計画研究所や三菱電機などは、スマホを通じた家庭の省エネ行動促進やV2Hの可能性についてプレゼンテーションを行った。最後に東京大学大学院の前真之准教授が戸建て住宅における断熱リフォームの普及促進に向けた調査研究について発表し、会議を締め括った。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.56に掲載したものより抜粋しています。
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