年間180棟規模の高性能住宅を供給する群馬県の有力ビルダー石田屋(石田房嗣社長)は、セルローズファイバー断熱材を使った外皮仕様と大容量の太陽光発電・蓄電システムに加え、V2Hシステムを搭載した“電気を買わない自給自足”のモデルハウスをこのほど高崎駅前にオープンした。石田社長が「これからきっとやってくる時代に先駆けて、省エネ・健康・快適・レジリエンスなど全てに配慮した」とするハイグレード仕様のモデルハウスを探るとともに、同社の家づくりへの想いを訊いた。
明治創業から110余年、金物・苗種販売業よりスタートした同社。3代目となる石田社長からは住宅資材販売を開始し、三協立山の代理店としてサッシ販売をはじめ各種建築資材を扱ってきた。地場の工務店支援のため不動産事業も手掛けてきたが、次第に住宅建築事業を拡大させ、2002年にはパナソニックビルダーズグループに加盟。耐震住宅工法テクノストラクチャーの技術や住宅設備等の商材を全面的に取入れ、現在は参画する全国約400社のビルダーの中でトップの施工実績を誇る。そんな同社の家づくりの特長は、新モデルハウスでもみられるが、セルローズファイバー断熱材を用いたUA値0.5以下の外皮と、オールパナソニック設備・工法を標準仕様としていることである。同断熱材は新聞等の古紙を繊維状、綿状にして防燃処理を施したもので、同社では王子製袋の断熱材を採用し、湿式吹込み工法で自社施工している。吹込みと同時に接着剤を混ぜ込むため、垂れ下がりなどの経年劣化を抑えられる工法という。断熱性能に関していえば0.038W/mKと一般的なグラスウールに劣らないレベルだが「断熱性能のみならず、調湿や遮音、防火等の性能も高いことが同断熱材にこだわるポイント。新モデルハウスでは150㎜もの幅に吹込む工法を推奨しているが、殆どの来場者が快適で静かな家という印象を持たれている」とする。こうした調湿や遮音性能等はUA値には決して表れないものの、住み手にとっては家選びの重要な基準ともなっているようだ。
加えて、この分厚い壁を支え、かつ天井高2.7m、最大間口6mの大空間を実現するのがパナソニックのテクノストラクチャー工法で、制震ダンパーと組み合わせることで、より強固な構造体としている。外装、内装の住宅建材をはじめバス・キッチン・トイレ、LED照明、給湯機、全館空調システム等の住宅設備から、“電気の自給自足”に欠かせない大容量の太陽光発電・蓄電システムまでオールパナソニックで揃える。同ブランドをここまで一貫させるのは何故か。石田社長は「建築分野からエネルギー分野まで時代に合わせて様々なソリューションを提供してきたパナソニックの大きなバックボーンがあることで、ユーザーの信用や安心に繫がることは勿論、当社も柔軟性を持って事業を継続させていくことができる。互いに知恵を出し合える関係性も築いており、常に進化し続けられる体制を整えていることは大きい」と話す。
3.11以降、クローズアップされたエネルギー問題だが、今は地産地消の流れにあり、ゆくゆくは住宅と電気自動車(EV)が連携し地域や個人間での電力融通も期待されている。そんな中「群馬県においては太陽光発電を搭載する屋根が大きく、1人1台クルマを必要とする地域性を持つ。今後の更なる社会の変化に先駆け、既存の大容量の創蓄連携システムに、電気自動車(EV)とV2Hをコラボさせた。自給自足と停電時安心の訴求を一層加速させていく」とする。とりわけ新モデルハウスにおいては、日産自動車ディーラーの日産プリンス群馬との協業で、毎週末、ディーラーの営業マン自らが展示場に立ち、EV・V2Hシステムの説明や実演を行うなど精力的な活動を見せている。いち早くトレンドを掴み、高性能住宅をベストプライスで提供する同社。時代の変化に柔軟に対応した家づくりから目が離せない。
※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.57に掲載したものより抜粋しています。
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