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2019年問題続編:蓄電・蓄熱で56万ユーザーを虜に!

 〝自家消費元年〟「実際は何も起きないのではないか」「需要拡大に期待したい」など議論百出のなか、業界各社が示す2019年のカタチは如何に。目下、スマエネ業界では、太陽光発電の売電終了ユーザーが大発生する『2019年問題』が迫っている。売電モデルから自家消費型への転換期としてクローズアップされ、太陽光発電をはじめ、蓄電池や高効率給湯機、V2Hといったスマエネ機器のビジネス環境は大きく変わろうとしている。「準備は万端」「OB客に営業活動を開始している」など既に具体的なビジョンを描いているものから、「今は話せることがない」「慎重に動静を覗っているところ」といった構想段階にあるものまで、歩幅は多種多様。温度差もあるが、同問題を取り巻く複雑な環境を紐解いていくとともに、交錯する関連事業者の現状を切り取った。

潜在需要56万件自家消費率向上策が本命か

 少しクドイかもしれないが、前号のおさらいも込めて2019年問題を簡単にみていく。これは太陽光発電システムを09年、もしくはそれ以前に設置したユーザーの売電契約(10年間)が終了する事象である。これに伴い施主の経済メリットが低下。最悪の場合「太陽光辞めた」となるケースも想定され、何らかの手立てを打たなければ、これまで苦心して導入を進めてきた屋根上発電所が一挙に喪失。血と涙の努力は無に帰す。業界にとっては勝負どころになる年だ。その対象システムは約56万件(太陽光発電協会資料)。19年以降も年間1GW前後で発生すると試算されることから、ここで対策を講じなければ後の市場にも影響を及ぼす事になる。残り時間は約2年。何が出来るのか。ユーザーの特性とプレイヤーの布陣をみていこう。累積設置件数200万件の4分の1に相当する膨大な売電期間終了ユーザーは大きく2つに分類される。08年までの主に環境貢献を意図した富裕層・アーリーアダプターと経済メリット優先派だ。焦点となる19年は、前者が圧倒的な数を占めるものの、徐々に両者の混在する比率が高まっていくことを留意しておきたい。そんな19年問題対象者の選択肢は現時点で①『何もしない』、②『不確定な売電継続に期待』、③『自家消費率を高める』の3つがある。売電終了後、自家消費分は従来どおり活用できるが、売電していた分は垂れ流しとなる。厳密に言えば、経済産業省『平成29年度以降の調達価格等に関する意見』にみられるよう何らかの売電継続が想定されているものの、単価は未定。タダ同然での買取はあり得る。これまで48円の高額設定で売電してきた習慣を考慮すると、年間約17万円の経済損失となり、そのインパクトは大きい(前号既報)。〝もったいない精神〟を強く持つ国民性、「環境派」「経済派」ともに「ク〝自家消費元年〟「実際は何も起きないのではないか」「需要拡大に期待したい」など議論百出のなか、業界各社が示す2019年のカタチは如何に。目下、スマエネ業界では、太陽光発電の売電終了ユーザーが大発生する『2019年問題』が迫っている。売電モデルから自家消費型への転換期としてクローズアップされ、太陽光発電をはじめ、蓄電池や高効率給湯機、V2Hといったスマエネ機器のビジネス環境は大きく変わろうとしている。「準備は万端」「OB客に営業活動を開始している」など既に具体的なビジョンを描いているものから、「今は話せることがない」「慎重に動静を覗っているところ」といった構想段階にあるものまで、歩幅は多種多様。温度差もあるが、同問題を取り巻く複雑な環境を紐解いていくとともに、交錯する関連事業者の現状を切り取った。リーンエネルギーの活用を」「メリットの最大化を」と何らかのアクションを起こしたいと考えてもおかしくない。事実、「発電した電力の買取期間が終了した後はどうしますか」との問いに対し4割が「蓄電池を買って自給自足する」と回答したというアンケート調査もある(特集巻末)。であれば早急に周知を図り、意識を喚起させる必要があるだろう。そこで今から出来る対策が③の自家消費率向上提案だ。理論上、大容量10kWhクラスの蓄電システムを導入すれば完全自家消費が構築できる。単年でみた経済メリットは11円前後での売電継続を行うより大きい。回収という観点を加えるなら、19年度目標価格13・5万円/kWh(経産省『定置用蓄電池の価格低減スキーム』)であれば約10年でペイできる計算にもなる。電気代高騰や再エネ賦課金、逆潮流実現など経済メリットが向上する要素は多い。イニシャルコストはかかるものの、究極のエコ生活、停電・災害時の安心・安全が担保され経済性も生まれてくる。後ほど詳報するが、来年度に予定する環境省の蓄電池補助金は19年問題対象ユーザーを自家消費に導くための制度設計で、国としても推し進めていきたい構えなのである。

早くも攻勢をかける大手ハウス系リフォーム部隊

 では、商戦となるポイントはどこか。56万件のストック市場を地域別でみたとき、人口が集中する関東エリアが24%でトップ。県別では愛知県・埼玉県、福岡県となる。日射量の少ない積雪地域の北海道・東北を除き、ほぼ均等に分布している。偏りなく全国各地、各電力管内で売電終了者が溢れ出すことが予想される。次に、新築・既築別の累計導入シェアをみると、およそ3対7で既築向けが圧倒。このうち、新築向けは大手ハウスメーカーによる導入が殆どで、各社ともOB客の囲い込みを仕掛けている。なかでも、累計18万棟以上のソーラー住宅を供給し、ギネス世界記録にも認定されている積水化学工業は、蓄電システムやV2Hを活用した自家消費モデル住宅への転換に注力することを明言している。現在、蓄電システムの住宅搭載率は年間供給規模の25%程度だが、2012年から累計1万2000棟以上に装着してきた実績やノウハウ、実邸での計測データ等を持つ。同社常務執行役員の上脇太住宅カンパニー商品開発部長は「2019年問題対象の住宅は6~7万棟ある」とし、新築分野のシェアにして約4割を占める。同ストックに対し「当社グループで総合リフォーム会社のセキスイファミエスが、すでに太陽光発電の増設や蓄電池導入などのエネルギーリフォームを仕掛け、好調を維持している」とする。新築分野は、大手ハウスメーカー系のリフォーム部隊による刈り取り合戦が既に繰り広げられている。一方、主戦場となる既築分野では、住宅用太陽光大手販売・施工店の日本エコシステム事業推進部の上山貴志副部長兼コンシューマ営業企画室長が「FIT切れユーザーのストックは6000件程度。まず出来ることはOB客への正しい情報発信。把握できている状況を説明し、19年問題の解として業界一致で勧められている蓄電池を提案している」とし、すでに1000件が導入済。「現在は、ソーラーローン等の借り換えによる金利差で購入費用の負担軽減を図り勧めている」(同)という。同じくトップ販売店エイジー・ジャパンの長岡俊幸社長も「ストック数は集計しているところだが、19年問題に向け蓄電池販売に注力し、1年に1回実施するカスタマーサービスでの訪問・点検時に案内を行っている。50~60件/月ペースで蓄電池を販売できており、うち7割がOB客向け」とし、サポート・メンテと合わせた提案方法を確立していく構えだ。卸サイドでも、太陽光専業大手ディストリビューターのエクソル鈴木伸一社長が「新電力やメーカー各社と協業することで当社オリジナルのプラン展開や年末には蓄電戦略を打ち上げ市場を盛り上げていく」と意気込んでいた。新築・既築分野ともに、太陽光発電の自家消費向上提案の前哨戦は早くも始まっているのだった。

2019年問題≒シャープ問題⁉

 太陽光パネルメーカー側も、自家消費型提案に向け手厚いサポート等を構築し、本戦に向けた体制を整える。56万件をメーカー別シェアでみると、本誌ヒアリングではシャープだけで約30万件を保有、およそ5割を占めることが分かった。最古参メーカーの1社で、特約会を敷き既築向けの提案や、多数の大手ハウスメーカーへの採用も奏功し、インストールが進んだ。京セラはFC体制の構築と強力な販売店とともに展開。続くパナソニックは、独自の高効率パネルで旧三洋電機の訪販ルートを開拓したパナソニックESソーラーエナジー販売が積極展開、小さい屋根にも大容量搭載できる特性から実績を増やしてきた。三菱電機においては、積雪地域などの特殊環境にも設置可能な太陽光パネルで差別化を図り、根強いファンを獲得してきた。この勢力図において今後ストックユーザー獲得の攻防戦が本格化していくことになるが、半数ものシェアを有するシャープに注目が集まることは明らかである。同社の動き方によって戦況は大きく左右されることだろう。つまり、少し大げさに言えば、19年問題は〝シャープ問題〟なのである。そんな同社の基本スタンスは、中容量域のハイブリッド型蓄電システムを、約10年を目安とするパワコン更新に合わせて提案するというもの。ハイブリッド型をラインナップする他メーカーにおいても、もはや定番化しつつある戦法だ。シャープエネルギーシステム事業部の桃井恒浩事業部長は「昨年度は1万台規模を出荷した」とするから、同戦法もだいぶこなれてきた感がある。現在、特約店会サンビスタのメンバーは288社で、卒FITユーザーへの対応を図るため「エリアごとの販売店に19年問題やZEH等に対する事業提案会を行っている。直近2ヶ月で10か所近く回った。提案に不安のある販売店がいれば、直接出向き1社1社に商材の説明を行う」(同)など、BtoBのサポートを強化している。ストックを死守するため、シャープ軍全体の販売力を高めている最中にある。このほか、11月からは住宅用蓄電システムを産業向けに応用しコストダウンを狙うなどストックユーザーを譲る気配は毛頭ない構えだ。一方、同社の戦略や出方をうかがいつつ、業界最大の好機を逃すまいと勢いづくのは、蓄電システム専業メーカーや新興勢力である。主な動向は別表にまとめているが、総括すると、大容量・高出力または小型・軽量、AI搭載といった新モデルの構想や、販路拡大、生産工場の整備など各社とも具体的なビジョンを示し、19年に向け士気を鼓舞している状況である。太陽光パワコン大手で蓄電開拓に力を入れるオムロン環境事業本部の宮野裕一グローバルマーケティング部長は「蓄電ハイブリッド、単機能型とラインナップを拡充してきた。現在、自家消費時代の本格的な展開に向け分析を進めているところ」と堅実な姿勢を示す。一方、一味違ったアプローチを仕掛けるのは、蓄電システムのパイオニアで累計4万台を販売してきたニチコンである。業界初となる太陽電池と電気自動車(EV)と蓄電池の3電池間を連携させるトライブリッド蓄電システムを開発し、来春にも投入する予定だ。電源センター蓄電システム企画部の山本隆禎部長は「太陽光で発電した電力を家庭での使用や蓄電池に貯めるだけでなく、EVの充放電にも活用できるようにした。売電終了ユーザーの自家消費率をもう一段階向上させる製品となっている」と自信を覗かせる。このEVを太陽光自家消費の利用先として考える点では、V2H技術で鎬を削ってきた三菱電機中津川製作所戦略市場開拓プロジェクトグループの杉本年秀プロジェクトグループマネージャーも「エアコン負荷の少ない春や秋など季節によっては太陽光発電で発電した電力が想像以上に余り、使いこなせないケースが多い。この余剰分を如何に使いこなすか。EVへの充放電が鍵になってくる」と評価している。19年問題において、EV含めた蓄電が担う役割はやはり大きいようだ。

自家消費の新星、エコキュート

 戦いの火蓋は切られ一様にして蓄電池戦略を挙げているが、19年問題にあたりエコキュート商戦も熱を帯びている。と言うのも、先述の自家消費において、余った電力を熱に変換し蓄えておくことができるからだ。通常、安価な深夜電力を利用し沸き上げるところを、太陽光が発電する昼間の時間帯にシフトするのである。東京大学等の研究チームが行った実証では、370~460Lの貯湯容量で2~4kWhの蓄電池を導入したときと同等の自家消費率向上が見込めるという結果も出ており、蓄電池に変わる19年問題の解答の一つとして、現在注目が集まっている。すでに各メーカーともHEMSを通じた余剰電力活用モードを搭載しているが、6月にコロナがAIを搭載する京セラ製HEMSと連携した製品を発表。天気予報等から翌日の余剰電力量を予測し、前日までの運転パターンも加味して自動で夜間運転の一部を昼間にシフトするという一歩先を行く制御システムを構築した。他方、パナソニックでは、9月に給湯機単体に同モードを搭載した製品をリリース。コロナ製の様に自動で運転を切り替えるものではないが、ユーザーはワンボタンで自家消費率を高めることができる。パナソニックアプライアンス社エアコン事業部の渡部安司給湯事業総括担当は「機能のON/OFFはユーザー手動となるが、給湯機のリモコンで設定できる。HEMS等を介さずエコキュート単体で制御できることがポイント」と語る。HEMSを介する場合、接続性等の観点からどうしてもメーカーの制約が付き纏う。この点、製品そのものに機能を搭載すれば、どのメーカーのシステムにも一家電設備として入り込むことができる。各メーカーのOB客が混在する19年問題にうってつけというわけだ。エネルギーシステムの販売を担うパナソニックESソーラーエナジー販売の和田泰典社長は「〝熱を主、電気を従〟とした販売展開も進めていく。他方、19年問題のストックを持つ販売店のなかには、太陽光市場の変遷に伴いエリアを縮小したところもある。販売店同士を引き合わせ、パワーバランスを調整することにも注力していきたい」と、蓄熱提案の積極的な姿勢と体制強化を見せる。無論、エコキュートだけではなく、同じヒートポンプ系給湯機であるハイブリッドも蓄熱が可能だ。リンナイやノーリツも既に太陽光連携モードを搭載しており、同様に狙いを定めている。

注目の環境省補助金

 熱気を帯びる業界を後押しするかのように、環境省『太陽光発電の自立化に向けた家庭用蓄電・蓄熱導入事業』84億円(概算要求)が来年度から始まる。対象となる蓄電システムの要件には〝グリーンモードのみの運転〟とあり、まさに自家消費を促すことをコンセプトとした補助金だ。蓄電池単体もしくは蓄電池とエコキュートのセット補助が可能で、とくに19年問題対象ユーザーを優遇するものとなっている。ただ、売電期間終了は最も早いもので19年11月。同補助事業スタートは18年4月を予定しているが「まだ売電期間が残っているのに蓄電池に貯めなきゃいけないの?」と疑問に思うユーザーもいるかもしれない。最大1年9か月分の売電収入はどうなるのか。実はそこを補助金でカバー〝将来の売電収入を先に得て、蓄電池活用で自家消費を推奨〟する狙いがある。補助額3万円/kWhとしているが、仮に10kWh前後の蓄電システムを導入すれば、約30万円分の売電収入を先に得るという理屈だ。しかしながら、2年前の蓄電池単体補助金の苦い経験が業界の懸念としてある。補助申請の殺到により僅か3ヶ月で予算が消化され、補助金有無の時期によって蓄電池市場が激しく起伏。各社とも「年度後半の事業計画が非常に立てにくかった」とも吐露していた。「恐らく今回の単体補助金も3ヶ月程度での消化ではないか」という業界関係者の見方もあり、二の足を踏まないよう、早期の予算消化を想定しつつ、事業方針を固めていかねばならない。さりとて、前回の補助制度と大きく違うのは、自家消費に切り替えることを目的としている点。補助金終了後も、仕入力や企業体力のある販売店等であれば、利益を確保した販売価格の設計を行い〝残りの売電収入分はすべて負担〟といった自家消費移行キャンペーンなどを打ち出す事業者も出始めることだろう。パナソニックES社新事業推進センタースマートエナジー事業推進部の北村常弘推進部長は「来年度の補助金を契機に、消費者側のマインドが〝太陽光発電は自家消費するもの〟と変化していく。環境貢献のユーザー層がその走りを担うことで、新設を検討する消費者のマインドまでも自家消費に向くことだろう。ユーザー目線に立ち返り、当社だからできる蓄電池を含めた総合的なソリューションを現在、構築している」としており、今後の業界動向に期待したい。

最適な各種ローンで設置負担軽減

 ただ、そもそも現実問題、これら高額商品の費用をどう捻出するのか。補助金だけでは賄えないこともある。特に蓄電池コストはというと、19年度13・5万円/kWh、20年度には9万円/kWhと現行の約半値となる目標が掲げられているが、果たして実現可能なのか。コストの約6割を占めるといわれるリチウムイオン電池の単価推移は、08年から12年の間に43・1%もの下落があったものの、12年から16年の間は13・3%減で鈍化している(経産省『生産動態統計』)。また、世界的なEVやPHVの急増により、リチウムやコバルトなどの電池資源までも供給逼迫し、高騰している昨今。リチウムイオン電池のコスト低減は下げ止まる可能性もある。どこまで低減できるか、先行きの不透明感はある。ひたすらに価格低下を待つしかないのか。設置費用負担を軽減する好例として、住宅ローンの見直しがある。太陽光発電・蓄電池の導入効果や電気・ガスの乗り換えシミュレーションサービス『エネがえる』で定評のある国際航業では、このほど住宅ローン借り換え診断サービスを始めた。国内金融機関763社1万7000以上のプランから最短即日で最適なローンプランをはじき出し、借換えによって生まれた差額を蓄電池導入費に充てるというものだ。同社によると、新築から10年目で借り換えしていない世帯は7割にのぼり、殆どが「借換えの仕組みをよく理解していない」「どこに借換えすれば良いかわからない」といった理由からだという。同社事業開発本部デジタルエネルギーグループの佐藤丞吾グループ長は「面倒で難しいローン借り換えの提案・手続きを代行することで顧客獲得のチャンスが生まれる。借り換え内容によっては大幅な削減で太陽光・蓄電池の設置費用が実質0円となるケースもある。現状組んでいる住宅ローンが2015年以前のものであれば必ず削減効果を得られるようになっている」とし、更なるブラッシュアップを図るという。一方、最長15年のソーラーローンで太陽光発電を導入したユーザーはどうか。まだ数年先まで残債があるために、蓄電池を設置したくとも、支払い中のソーラーローンと重なり月々の負担が増大し、結果諦めるケースも少なくないだろう。導入の障壁になりかねない。先述の日本エコシステムのようにソーラーローン自体を借り換える方法もあるが、蓄電池販売企画等を行うユアエナジー飯川悦広社長は「蓄電池拡販のために販売店に対して他社との差別化を鮮明にしたクレジット商品を紹介している。例えば、ソーラーローン返済が続く期間中、蓄電池購入の元金は据置、利息のみを支払うといった返済額を低く抑えられるプラン」である。次頁のとおり、蓄電池200万円を実質年率2・45%、15年(180回)払いで購入すると、最大5年間は利息分のみとなる約4000円/月の支払いで済む。この月額支払い分を月々返済中のソーラーローンに上乗せするイメージである。あらゆるニーズに対応できる最適なプランを用意しておきたいところだ。

営業はほぼ一巡が実態か、システム保証問題も浮き彫りに⁉

 自家消費型提案を取り巻く環境は国だけでなく民間レベルでも整備が進み、一層の普及が期待される。だが、簡単に飛びついていいものだろうか。潜在需要はあれども有効需要はどうなのか。市況を冷静に読み解くのは、住宅太陽光販売トップ商社、高島執行役員の山本明エネルギーソリューション事業推進統括部長である。周知の通り12年より蓄電池の出荷台数は飛躍的に伸び、年間3~4万台市場が形成されてきたが「この内訳は訪問販売が7~8割を占めているだろう。新設案件もあると考えられるが、実際には太陽光OBユーザーへの展開が殆どではないか。とすると、19年に至るまでに営業は2巡している可能性もある」と分析。実際に、日本エコシステムでは「ストック6000件への提案はほぼ行き尽くした」(上山副部長)とし、続けて「うち4000件は50~60代で、これからさらに蓄電池を導入しようという考えに至らないケースは多いのが現状」(上山副部長)とする。現役引退間際、もしくはリタイヤ組は、蓄電池よりも寧ろ快適性や健康を重視していくのではないだろうか。とはいえアーリーアダプターであり富裕層であることは確か。であれば、蓄電池だけではない新たな価値を伴った商材やサービス提供を準備しておく必要もあるだろう。このほか、多くの太陽光発電には15年システム保証などが付帯されているが「例えばハイブリッド型蓄電システムの場合、既設の太陽光パワコンを入れ替えるため、他社製のものを導入してしまうと保証自体が切れてしまう。保険業務上、新たに蓄電システムを入れたメーカーが、太陽光発電システムもまとめて保証することは原則禁止されている」にもかかわらず、同問題を回避できるとする特殊な接続方法があるとの情報も聞こえた。京セラソーラーエネルギー事業本部の戸成秀道市場開発部責任者は「太陽光パネルの性能は同じに見えても特性が各社異なる。パワコンの設置場所、絶縁トランス内蔵の有無なども然り。下手に交換してしまうとシステム全体に影響が生じ故障の原因になりかねない。業界をあげて対応を調整し各社慎重に判断していく必要がある」と警鐘を鳴らす。トラブルが起きれば、原因が太陽光発電側なのか、蓄電システム側なのか責任の押し付け合いにもなり兼ねない。よその島では、特に慎重に。となれば、太陽光パワコンを交換しない単機能型蓄電システム有効説も浮上してくるかもしれない。以上、2号に亘り綴ってきた2019年問題。太陽光発電の自家消費率を高めるために、あらゆる戦略、施策が整備されつつある。残り2年、同問題を取り巻く環境は引き続き追っていきたい。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.33に掲載したものより抜粋しています。

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